創業明治2年、
150年の時を刻んだ温泉旅館


龍門亭 千葉旅館

800年の歴史を持つ大湯温泉に150年続く温泉旅館「龍門亭 千葉旅館」。
6代目館主による大胆なコンセプト変更の土台にあったのは、
十和田石を使った露天風呂でした。

800年の歴史を持つ大湯温泉に150年続く温泉旅館「龍門亭 千葉旅館」。
6代目館主による大胆なコンセプト変更の土台にあったのは、十和田石を使った露天風呂でした。

龍門亭の名前の由来

当館の初代館主は明治2年の廃藩置県に際して南部藩へ禄を返上し、当地に温泉宿を開きました。それから10年後に旧南部藩主の南部利剛公が当館を訪れ、かつての家臣である初代に、李白の言葉「一登龍門、則聲価百倍(龍門を一度でも登りつめれば家名は100倍にもなる)」を残しました。初代は当館を龍門亭と名付けました。そしてこの地で龍門を登るべく、旅館業に邁進したそうです。それから一世紀を超える月日が流れ、私は6代目の館主ということになります。

庭のロケーションを完成させる十和田石の露天風呂

長い歴史を持つ温泉旅館なので、何度も増改築は行われましたが、最後に行った改装は平成8年になります。もともと当館の庭は周遊庭園で、温泉浴場は館の中だけにあり、庭の景観を楽しむつくりではありませんでした。あるとき考えてみたんです。周遊と言っても雨の日もあれば雪の日もあって、庭にお客様が全く出られない日もあります。とくに、ここは雪深い秋田です。計算してみたら年の半分は周遊庭園が機能していなかったのです。そこで、周遊庭園から鑑賞庭園へコンセプトを変更、庭を眺めて入れる露天風呂をつくりました。

露天風呂
浴場

先代たちが守ってきた美しい庭は、お客様が入らなくなってきてからは、カワセミが飛来し、鴨は子どもを産み育て、タヌキやキツネも訪れるようになりました。そこには秋田の原風景を切り取ったような庭がありました。春には色とりどりのつつじが咲き乱れ、夏は新緑、秋は紅葉、そして冬は一面の雪景色を堪能しながら湯に浸かれるようになりました。美しい秋田の四季折々の風景に、秋田の石である十和田石の露天風呂は馴染みました。御影石でも大理石でもきっとダメだったと思います。しっとりと寄り添うような十和田石の淡い存在感が全体調和を成しているのだと感じます。いちばんのお勧めは冬の夜、ライトアップされた雪の白と十和田石の青とのコントラストは見事です。

評価はお客様から
−ホテル・温泉・浴場における十和田石−